レースカーテン

レースカーテンはドレープカーテン（厚手のカーテン）とセットで取り付けられることが多い、レース地の薄手のカーテン。薄地ながらもさまざまな役割を果たすレースカーテンは重要なアイテムです。どのような機能をもつのか、簡単にご紹介します。

透け感があり、風に軽やかになびくレースカーテンは、強い日差しを和らげ調光してくれる身近な生活用品です。カーテンをかけたままの半透明性を保ちながら、風を通してくれる便利なアイテムです。
いざ購入するとなると、どの程度の透け具合が良いのか、迷いますが透過性はお好みに合わせて選べます。また、ドレープカーテンほど機能などを重視・検討して選ぶ方も少ないかもしれません。実はレースカーテンもドレープカーテン同様、さまざまな機能に特化した製品があります。自身のニーズに合ったものを選ぶことで、快適な住空間を演出してくれます。

レースカーテンの長所・メリット

レースカーテンにはどのようメリットがあるのか、詳しくご紹介します。

室内のプライバシーを保護してくれる

日本のような住宅が密集するエリアが多い場合、街路から何気なく民家へ目を向けると、室内の様子が見えるというようなことも珍しくありません。プライバシーの保護は防犯面でも非常に重要な役割を果たします。

レースカーテンはそのように外から直接室内が見えてしまうということも防いでくれます。レースカーテンの中にはミラー効果を持つものがあります。ミラー効果とはカーテンの裏面にブライト糸というキラキラ光る糸を使用することで外から見た時の光の屈折・反射を増やし、室内が見えにくくなる事です。
人通りの多い街路沿いに住む方や、周囲を高い建物に囲まれていてプライバシーが気になる方などは、ミラー効果のあるレースカーテンを選択するのもおすすめです。

参考事例：レースカーテンの見え方透け方比較【ボイルレース・ミラーレース・遮像レース】

ただし、あくまで外からの光を利用して透けづらくするため、室内に明かりが灯る時間帯になると、ミラー効果を持ったカーテンでも中の様子が透けてしまいます。高密度のカーテンはより透けづらいですが、プライバシーを考えると、夜間などはドレープカーテンの使用が大切です。

明るさを取り入れながら紫外線をカット

レースカーテンは薄手のため、日中、外からの光を室内に取り入れることができます。適度に日差しを浴びる事は健康を保つ上でも重要ですし、窓の外の景色や街路樹のグリーンを感じられるのは気持ちの良い時間です。明るさだけを求めるのであれば、カーテンを開けておくという選択肢もありますが、カーテンをせずにいると、明るさとともに紫外線も一緒に室内へ取り込まれてしまい、家具だけでなく自身の肌も日焼けしてしまうことになります。

そのような場合、UVカット機能を有するレースカーテンを使うことで、室内に届く紫外線量を大幅にカットしてくれます。通常は、紫外線遮蔽率が 70％以上の物を「ＵＶカットレース」として謳っています。UVカット機能を有するレースカーテンはレースの糸自体が紫外線を吸収するものや、ミラー効果により日差しを反射させたり、生地を高密度に編み込むことで紫外線を透過しにくくさせたりしています。製品によってUVカット率はさまざまですが、90%以上カットしてくれるものなどもあります。

大人はもちろんのこと、小さな赤ちゃんなどは皮膚も薄く、紫外線によるダメージも受けやすいため、UVカットのレースカーテンはとても重要な役割を果たしてくれます。近年では、紫外線による室内の家具や調度品の紫外線による劣化を防ぎたいという要望も高まっていますので、その意味でも重要です。

遮熱・断熱効果がある

日本インテリアファブリック協会（NIF）による規定では「カケンレクランプ法」という温度の上昇を計る試験により、遮熱率 25％以上の物を、遮熱レースとしての効果を認めています。特に遮熱効果を高めるために、セラミックを織り込んだ特殊な遮熱糸を多く使用したレースやミラーレースのように裏面の反射で赤外線の反射率を高めているレースが多くなっています。
夏や冬など、エアコンを使用する際にもレースカーテンは重要な役割を果たします。しっかりと窓を閉めていても、窓からは暖かな空気・冷たい空気が侵入し、エアコンの効きを弱めてしまいます。窓の大きな部屋の場合はより一層、その影響を大きく受けやすくなります。

遮熱・断熱効果のあるレースカーテンを用いることで外からの空気の侵入を防ぎ、室内の温度を保ってくれます。また、エアコンを使用しない時期でも、日差しによる温度の上昇を和らげ、心地の良い室温を作り出すのにも一役買ってくれます。

参考事例1：遮熱機能付きレースカーテンでも機能だけでなく楽しく活かす事が可能です
参考事例2：遮熱レースカーテンの取り付けで暑い夏の対策を。透過性の高いレースを季節で取替える

室内に埃や花粉などの侵入を防いでくれる

網戸や窓の外側を見ると、大量の汚れが付着していることに気づく人も少なくないと思います。外からの風は心地よい一方、埃や大気中に漂う汚れ、花粉なども室内に運んでしまいます。そのような時にもレースカーテンがあることで、風は通しながらも埃などの侵入をある程度抑えてくれます。完全にカットすることはできませんが、花粉を付着させやすい糸を使用し、室内の清浄化に特化したレースや、汚れを落ちやすくした織りのレース、消臭・抗菌機能を持つレースなどの種類もあります。室内への心地よい空気の取り込みにも重要な役割を果たします。

レースカーテン設置に際して考慮しておきたい点

さまざまなメリットをもたらすレースカーテンですが、その機能が故に起こる配慮すべき点もあります。

外の景色が見えづらくなる

ミラーレースカーテンで聞かれるものですが、通常のレースカーテンと比べると厚さや密度が増すために、外の景色が見えづらくなります。

風通しが悪くなる

高密度に編み込まれたミラーレースや、まぶしさを抑える遮熱レース、室内を見えにくくする遮像レースは、光を反射してくれるものの、その分風通しも悪くなってしまいます。ミラー効果は編み込みの密度と大きく関連します。外部からの視線はしっかりと遮ってくれるものの、同時に風の通りも遮ってしまうのです。

レースカーテンの種類

レースカーテンと呼ばれているものの中には、生地の製法の異なるものもあります。それがボイルレースカーテンです。
レースカーテンは糸を編み込んで作られますが、ボイルレースは通常のレースで使用される糸よりも細い糸を織って作られています。
ボイルカーテンは薄手で、均等な透け感を作り出すことができ、室内を明るくし外の景色を鮮やかに見せ空間を広々と感じられるところが良い点です。薄地の割には、丈夫で長持ちする点も人気の定番となる理由のひとつです。今ではさまざまなデザインレースがあり、刺繡が施されたもの、太さの異なる糸や変化をつけた糸をを組み合わせたものや、プリントで柄を描いたものなどお好みに合わせて楽しむことができます。

レースカーテンの色

一般的なレースカーテンは、そのほとんどが白色のものですが、中には白以外のレースカーテンも存在します。カラーレースカーテンと呼ばれるもので、 室内の雰囲気をガラッと変えてくれます。
厚地のカーテンの色に合わせてベージュ系のレースや、子供部屋にピンク色や水色のレースなどはイメージしやすく取り入れやすい色使いです。
また、シックな雰囲気を作りたい時、室内の家具をモノトーンでまとめているのにレースカーテンだけ白色だと、全体の調和を崩してしまいます。そのような時、グレーのレースカーテンを用いることで全体的な調和を図ってくれます。カーテンの色味は室内の中でも非常に大きな面積を占めるため、レースカーテンを変えるだけで室内の雰囲気を大きく変えることができるのです。

レースカーテンの採寸

レースカーテンはほとんどの場合、ドレープカーテンなどその他のカーテンとともに用いられますが、取り付ける際に注意したいのはその丈です。
ドレープカーテンより長かったら、ドレープカーテンの下からレースカーテンが見えてしまい、見栄えがあまり良くはありません。ドレープカーテンよりも1cm短くすることで断熱性なども最大限に発揮しながら、見栄えもよくなると言われていますが、採寸は建物やお部屋、周辺の環境も考慮して行うべきものです。
また、レースの仕様やスタイルは多様な方法があり、どのくらいの量の生地を使い、どのように仕立てるのか考えるのも楽しみのひとつです。上部のヒダは３ッ山につまんで取ったり、ギャザーヒダにしたり、フラットスタイルもできます。フリル付きにしたり、生地の柄を上手に活かした作り方で見え方も大きく変わります。
満足のいくカーテンを希望される場合は必ず専門店に依頼するようにしましょう。

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